”分かる”ことの大切さ
勉強する上で”分かる”ということは非常に大切です。
スピノザという哲学者がいます。
彼は真理やその理解についてとても面白いことを考ます。私たちは何かを理解することがあります。
「分かった!」と思えるときがあると思います。そのとき、もちろんその対象を理解したわけです。たとえば、数学の公式の説明を受けてそのような感覚を得たのなら、その公式を理解できたことになります。
しかしそれだけではありません。人は何かが”分かった”とき、”分かるとはどういうことか”を理解します。「これが分かるということなのか……」という実感を得ます。
人はそれぞれ物事を理解する順序や速度が違います。同じことを同じように説明しても、誰しもが同じことを同じように理解できるわけではありません。だから人は、さまざまなものを理解していくために、”自分なりの理解の仕方”を見つけていかなければなりません。
ではどうやってそれを見つけていけばよいのでしょう?特別な作業は必要ありません。実際に何かを理解する経験を繰り返すことで、人は次第に自分の知性の性質や本性を発見していきます。なぜなら、「分かった」という実感は自分にとってわかるとはどういうことなのかをその人に教えるからです。
だから大切なのは”理解する過程”です。そうした過程が人に、理解する術を、ひいては生きる術を獲得させることに繋がります。